- HOME
- インタビュー
地域のみなさまのさまざまな症状に対応できる医師として、診療にあたっています。
医師である父を見て育ち、地域のみなさまに貢献できるよう、さまざまな症状に対応できる外科の医師を志しました。健康寿命を延ばしていただけるように病気の早期発見・早期治療や生活習慣の改善に力を入れています。
医師になり、外科を専門にされた理由はなんですか?
医師である父を見て育ち、同じような仕事をしたいという思いがありました。外科の医師を志したのは、飛行機や新幹線などで「お医者さまはいませんか」という呼びかけに対応できるものはなんだろうと考えたとき、外科であればジェネラリストとしていろいろな症状に広く対応できると思ったからです。また、もともと手先が器用だったので、手術で人を助けたいという思いもありました。
大学卒業後に入局した大学附属病院の外科教室は、食道や胃、大腸といった各手術に精通した人を育てていく場所でしたが、そこにいながらも、自分は立派な「町医者」になりたいと思っていました。そのため、いろいろと幅広く学べて自分の手で経験を積める病院を選んで勤務してきました。そして今は、高齢化が進む中、地域のみなさまに役立てることは何かを考え、医療と介護の提供をしています。
医師としてのやりがいは?
大きな病院に勤めていた頃と違い、クリニックでできることは限られているため、ほかの医療機関に紹介しなければ検査や治療ができないケースがあります。患者さんの中にはできることが限られていることを理解した上で「自分の最期をみとってくれ」というようなことをおっしゃってくださる方もいます。そのような方の期待に応えていきたいと思っています。
近年は病診連携による、基幹病院と地域のかかりつけの医師との「2人主治医制」で患者さんの健康を支えるケースが増えています。たとえば、乳がん検診などで早期発見をし、手術をできる医療機関の医師と連携を取って、術後のケアはクリニックでおこなうといったものです。このような体制で病気が改善し、患者さんに「よかった」というお声をいただけるときも、うれしい瞬間です。
診察で心がけていることはありますか?
患者さんには納得して帰っていただきたいので、表情を見ながら専門用語を使わずに丁寧に説明することを心がけています。あとは、生活習慣病であれば、どうしたら患者さんの行動変容を起こせるかを考えるようにしています。そのために患者さんの生活習慣を伺って、患者さん一人ひとりに合った改善方法を提案していきます。そうはいっても、どうしても薬を飲み忘れてしまうという人もます。ところがよく聞いてみると、決まって夕食後の服薬を忘れてしまっていたんですね。そこで、夕飯後には飲まなくてもいいような薬を処方するなど工夫しています。
また、病気を治療して症状を改善させるだけではなく、健康寿命を延ばすことも医師の大切な仕事です。そのため、加齢による運動機能低下が生活の質を下げないように、正しいスクワットのおこない方などの指導もしています。
院内設計や空間作りでのこだわりはありますか?
患者さんが閉塞感を抱いてしまわないように設計しました。待合室や点滴室から中庭の緑を楽しんでいただけますし、点滴室には電動リクライニングチェアをご用意し、リラックスしながら点滴を受けていただいています。診察室も薬や棚などの殺風景な景観ではなく、窓から緑を臨んでいただけます。車寄せには屋根を作り、来院される患者さんがぬれないように配慮いたしました。
また、乳がん検診では落ち着いて検査を受けていただけるように、専用の待合室を設けてあります。お着替えはもちろんマンモグラフィー検査やエコー検査を受けていただくための移動は、ほかの患者さんの目に触れることがないように動線を考えて設計しています。
なぜ、特に内視鏡・湿潤療法・乳がん検診に力を入れていらっしゃるのですか?
モイストケア(湿潤療法)・乳がん検診・内視鏡検査は、それぞれ外科に勤務している医師として携わってきました。モイストケアは、以前、傷が良くなる仕組みを勉強したときに潤いを保った方がよいということを知り実践しています。乳がん検診は落ち着いて検査を受けていただけるように、女性技師を採用しています。乳がんは小さいお子さまがいらっしゃる女性で発見が遅れた例を見てきているので、そういった方をなんとか救いたいという気持ちから検査の垣根を低くして受けていただけるように力を入れています。
また、もともと胃と食道がんを専門にしていましたので、胃内視鏡検査を得意としています。ピロリ菌の除菌治療後ですと、胃バリウム検査では胃がんの早期発見が難しいケースがあります。内視鏡検査を受けていただくためにも、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用して、負担の少ない検査になるように努めています。